リバイブ・システム株式会社

マイコンによるノイズ耐性の違い

マイコンは、そのマイコンの構成、サイズ、CPUのタイプ、他により、外来ノイズに強いマイコンと弱いマイコンがあります。
許されるなら、元々のノイズ耐性が高いマイコンを選びましょう。

ノイズ侵入場所


(1) リセット・ピン

 マイコンICのパッケージにリセット・ピンがあり、外部からリセットできる様になっていると、このリセット入力にノイズが入り、マイコンが不用意にリセットされてしまいます。

又、ノイズによるリセットの場合、リセットに必要なパルス幅が無く、中途半端にリセットされて動作不良の原因とも成り得ます。

リセット入力を使う場合には、入力ピンからの信号にフィルタを設定出来るマイコンを選択しましょう。

(2) クロック入力とPLL

 マイコンICのパッケージにクロック入力があると、そこにノイズが飛び付き、クロック信号を乱してしまいマイコンーCPUの正常な動作を阻害しまいます。結果、マイコンは異常動作に陥ります。
ですので、クロック入力は無い事が望ましいのですが、安定した一定の周波数のクロックは必要ですので、まったくクロック無しにするのは難しい事となります。

 この対策として、最近は多くのマイコンICにPLLが採用され、クロックの入力はPLLの為の低い周波数のクロック入力となっています。これでノイズ耐性は大幅に向上します。

 クロック入力がPLL用のものであれば、入力されたクロックは分周されてから使われますので、静電気放電(ESD)の様な単発のノイズには影響されません。

 更に、最近は、マイコンICのシリコン上に、自走発振回路を設け、クロック・フリーのマイコンも増えてきています。クロック周波数の精度が1%程度であれば、こういうマイコンも使えます。

(3) 外部バス

 マイコンのCPUのバスがパッケージ・ピンに出ていると、このバス信号にノイズが入り、CPUの動作を異常にします。


CPUのバスはアドレス出力、データ入出力、制御信号から出来ていますが、多いノイズ由来の事故は、タイミング信号に重畳したノイズにより正常なバス・サイクルが阻害される場合と、データ・バスに重畳したノイズにより誤ったデータを読んでしまう事です。


 中で、命令フェッチ中にノイズが入ると、本来読むべき命令語が乱され、変な命令を実行したり、オペランドの読取り中に乱されると、不正なデータ処理を行い、結果、マイコンの動作が異常となる事があります。


(4) 割込み入力のエッジ・センス

  マイコンのシステムには割込みは必要なものです。しかし、割込みをエッジ・センス、つまり、信号の立ち上がりや立下りの「変化」で起動する様に設定すると、ノイズにより割込み処理が起動してしまいます。必要でない割込み処理の実施により、周辺の条件が整っていませんので、「待ち」の永久ループに入ったり、動作すべきで無いタイミングで異常な出力を出したりします。

 割込みは必ず、レベル・センス(定常的なH/L)で行い、更に、割込み処理の始めに、本物の割込みか?のチェックを入れておきましょう。

 それでもノイズで割込みが起動される事があります。高級マイコンなら、スプリアス割込み、としてマイコン自体が認識し、専用のベクターにより適切な処理を促すものもあります。

 スプリアス割込みの機能が無くても、割込み源をポーリングすれば、起きるはずのない割込みが起きた事は分かります。こういう場合は、割込み要求をクリアして、速やかに元の処理に戻しましょう。

(5) モータ・ドライブIC等への直接接続

 マイコンICに組込まれている周辺回路の出力を、直接、モータ・ドライブICに接続すると、モータの負荷変動や速度変動により、インダクタからのキック・バック電圧がモータ・ドライブICに戻ってきます。モータ・ドライブICには対策がされていますので、このキック・バックのパルス電圧はモータ・ドライブICには影響しないのが通常です。

 しかし、モータ・ドライブICの中では、電圧の高いパルスが通過しますので、モータ・ドライブICの入
力、つまり、マイコンの出力に影響する事があります。特に、モータが急停止する様な場合は要注意です。

 マイコンの出力にノイズが入ると、マイコンICの出力の設定が書き換えられてしまう場合が有ります。
書き換えられてしまうと、内部のタイマーとモータ・ドライブ出力の接続が切れてモータを動かす事ができなくなります。

 対策として、モータに限らず、インダクタを駆動する回路と、マイコンのピンとの間には、最低でもCRフィルタ、できればフォト・カプラで切り離すのが安全です。

(6) センサー類の直接接続

 マイコンICの入力に各種のセンサーをつなぐ事は多くあります。マイコンICの方も、ADCの入力であったり、タイマの入力であったり、UARTへのシリアル通信の信号であったり、USBの入出力で有ったりと様々な種類の機能に対応しています。一般に、センサー類はマイコンICが実装されている電子基板からコネクタ経由して長い配線が為されます。

 この長い配線は、ノイズ・アンテナそのものです。電波、ESDパルス、インダクタからのキック・バック電圧、様々なノイズがセンサーへの配線を通じてマイコンICに入ってきます。そして、これらのノイズは入出力の設定を破壊、変更してしまいます。

 対策としては2つあり、1、はマイコンへの入力には最低、CRフィルタや、フォトカプラを設けて、マイコンICにノイズが入らない様にする事で、2は、入出力回路の設定は、随時、又、一定時間で再設定する事です。

 或る気象観測機器のメーカーの技術部長は、マイコンICの周辺回路の機能を使う際には、先ず、再設定をしてから使う、これをソフトウェアの作成規則としていると話ておられました。
この規則は安定して動作するマイコン応用機器には必要な規則です。